韓国のスタートアップ界隈がアツかった

こんにちは、川上です。
今回、ソウルで行われた Global Career Vision に日本の学生起業団体の代表として招待され、韓国に行きました。

会場では "Global Startup" をテーマに多くの起業、団体がブースを出し、情報交換/ネットワーキングが行われ、UT Startup Gym も活動の報告を行いました。

"起業といえばシリコンバレー"というのが現状ですが、起業環境の充実という意味では韓国も負けてはいません。
政府、大企業、起業家たちが一体となって、シリコンバレーの次を狙っています。
たった2日間の滞在でしたが、イベントで感じた韓国の勢いを忘れないうちにレポートしておきます。


会場の風景


UT Startup Gym プレゼンの様子

すごいことその1 国を挙げたビジネス支援

シリコンバレーが発展した背景にはスタンフォード大学と卒業生の寄付金がある」
というのは良く聞く話ですが、韓国の場合は政府が後ろ盾になってくるように思います。
韓国での出来事、韓国で知ったことを少し振り返って、どのようにビジネスと政府が結びついているのか報告します。

新大統領の登場と国を挙げた官民協力体制の構築

今回のイベントで、韓国の次期大統領パク・クネさんに会うことが出来ました。
まさか日本の総理大臣より先に韓国の大統領に会うことになるとは思わなかったので、とても驚きました。


( 写真撮影禁止だったので、下記の記事から引用 )

大統領がどのようなことを言っていたか、このイベントを取材したKBSドイツ版の記事をご紹介します。

Die neue Regierung wolle aktiv Gelegenheiten für junge Menschen schaffen, indem sie die Beschäftigung und  Firmengründung im Ausland erweitern und gute Arbeitsplätze entstehen lasse. Sie werde junge Menschen unterstützen, damit sie in der Welt ihre Talente entfalten könnten.
韓国の新政府は海外での雇用や会社事業の拡大、それから良質な職を提供することによって若者のチャンスを積極的に創出しようとしており、若者たちが世界で才能を発揮することができるようにサポートします。

Hierfür wolle sie einen Kooperationsmechanismus zwischen dem privaten und öffentlichen Sektor schaffen. In enger Kooperation mit der Koreanischen Gesellschaft für Handelsförderung (KOTRA) und der Koreanischen Organisation für internationale Zusammenarbeit (KOICA) werde eine Datenbank für Arbeitsangebote in Übersee erstellt und eine neue Struktur zur Unterstützung der Jobsuche und Firmengründung im Ausland geschaffen. Sie wolle zudem jungen Wagnisunternehmern helfen, Überseemärkte zu erschließen, hieß es weiter.
そのために、官民の協力体制を構築しようと考えています。大韓貿易公社(KOTRA)と韓国国際協力団(KOICA)と密に協力して、海外雇用データベース、それから海外での仕事獲得や会社設立をサポートする新しい構造を構築していきます。そして、海外市場開拓のために若い起業家たちのベンチャーを支援して行きたいと考えています。
(記事/写真の出典 )

このように、大統領は、官民の協力関係の構築と、若者支援の推進を重視しており、
ジョブデータベースの構築や起業支援などの具体的な施策も着々と進んでいます。
大統領を筆頭にビジネス環境を変えて行こう、という力強さを感じました。

*記事は韓国メディアKBSがドイツ語で書いたものです。

学生団体への政府の支援がスゴい

大統領の演説にもあった若者の起業支援ですが、具体的にどのような支援が行われているのでしょうか。
今回一緒に行動していた韓国の学生起業団体 (Student Startup Network) は政府と強い関係にあるようで、
イベントの開催、参加、海外の関係者とのネットワーキングのための予算を政府から直接受けているそうです。
学生団体の規模が韓国全土に学生 2000 人と非常に大きいため、それくらいの支援を得るに値するのですが、イベントの開催支援や政府が主催するイベントへの招待、シリコンバレーなどへの海外研修など、手厚い支援があるようで、うらやましく思いました。

すごいとこその2:ネットワークを大切にする

日本では大企業とベンチャー起業が同じイベントに参加し、人脈を広げて行くような機会はなかなかないですし、ましてやベンチャー起業が政府機関とネットワークを持つ機会というのはほとんどないかもしれません。
一方、韓国では官民一体となったビジネスネットワークが完成されようとしています。
今回のイベントでも商社のような大企業に大手ITベンチャー、スタートアップ関係者があつまり、お互いの経験をシェアしていました。
分野をまたいで互いの経験が瞬く間に共有される環境が整備されていて充実しているなぁ。と感じました。

韓国, イスラエル, 日本の学生代表

まとめ

韓国だけではなく他の参加国でも、シリコンバレーの次、新たな起業天国を狙った動きが出ているようでした。
どこが成功するかは分かりませんが、いずれも虎視眈々とチャンスを狙っています。

気づいたら日本が負けていた、ということがないよう、他国のマクロな動きに目を光らせることも大切かもしれません。
UT Startup Gym も日本のスタートアップを促進できるよう、より発展させていきたいものです。

以上、UT Startup Gym 韓国レポートでした。